オーバーヘッド

イタリアのプロサッカーリーグ セリエAの低迷

かつてイタリアのセリエAは、世界のプロサッカーリーグの中でも「史上最強」と言われていました。中田英寿選手や三浦知良選手、名波浩選手などもセリエAに挑戦していたこともあって、日本でも人気のあるリーグです。そしてその象徴だったのがACミランで、サッカー日本代表の本田圭佑選手も所属したことでも知られるチームです。ACミランは国内リーグだけでなく、UEFAチャンピオンズリーグなど数々のタイトルを獲得してきました。他にもセリエAにはユベントスや長友佑都選手が所属していたインテルといった、ヨーロッパの中でも強豪と言われるチームがひしめき合っています。そのため日本人選手だけでなく、世界のスター選手がこぞって移籍を希望するリーグだったのです。

ところが、2000年代に入るとその実力にかげりが見え始めます。理由はいろいろありますが、中でも八百長事件は無視できない問題です。先述したユベントスはセリエAでも国内最多優勝を誇る名門ですが、八百長に関係したということで2部に降格させられてしまいます。そのことで当時在籍していたスター選手が他チームに移籍してしまいます。加えて、ACミランも財政難によって、徐々に有力な選手を獲得できなくなっていきます。

するとヨーロッパの強豪チームで争うUEFAチャンピオンズリーグに進出しても、ベスト8に進むのがやっとの状態になります。そうなるとセリエAのチームより、高給でなおかつ勝てるスペインやイングランドのリーグに優秀な選手が流れていきました。スター選手がいなくなったセリエAでは、最盛期に比べると観客動員数が徐々に低下していきます。当然、リーグの収入が減少しますから、有力な選手を獲るのが困難になり勝てなくなる、という悪循環にはまっているのが低迷の原因です。